花粉症の治療と漢方薬
花粉症は我が国で昭和50年代から急増している疾患の一つです。これは戦時中に乱伐採された山々に、戦後、成長の早いスギを植林しましたが、その後の木造建築が減少し、いわゆる木材不況になり、そのためにスギ花粉が大量に大気中へ放出されたためです。症状は発作性頻発性のくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどです。
西洋医学ではステロイド、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬がよく用いられます。これに対し、漢方医学は喘息同様、花粉症を局所の病気としてではなく、全身病ととらえております。ですから、抗炎症作用・抗アレルギー作用のある柴胡剤や麻黄剤が用いられます。また、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬は副作用として眠気を生じるものが多く、自動車の運転などに支障きたすこともあり、鼻水を抑えるために利水剤である「小青龍湯」などが用いられております。
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