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漢方医学の基本思想 五行説

漢方医学の基本思想 五行説

五行説とは、万物に「木」「火」「土」「金」「水」の五つの要素を見出し、それらの関係から自然の調和が保たれているという考え方です。

ちなみに「行」とは運行・活動という意味です。

五行説は陰陽説と同様に、古代中国の宇宙観を反映した哲学です。


『淮南子』によると、陽気の集積が火になり、陰気の集積が水になり、火と水の組み合わせから「木」「火」「土」「金」「水」の五つの要素が生成されます。陰陽説と五行説は中国の春秋戦国時代(紀元前770から紀元前221年)の終わり頃に、鄒衍(すうえん)という思想家が陰陽説に五行説を取り入れて一つに体系化され陰陽五行説となりました。

陰陽五行説は、今日においても漢方医学を含む東洋医学の理論基盤になっています。前述したように陰陽説では天地の交感から人が生れたと考えられています。この考えを拡大すれば、宇宙と人は親子関係にあり、同一の機構を有することになります。つまり、人体は小宇宙なのです。この考えを天人合一思想と呼び、これが人体の理解に陰陽五行説を適応する基盤になっているわけです。



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