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漢方薬(漢方医学)の誤解 その②

漢方薬(漢方医学)の誤解 その② 漢方薬は体質を変える

これは先の誤解①の中でも書きました、漢方薬の得意分野は慢性疾患であるということとも関係しています。つまり、漢方薬が慢性疾患を得意にしているのは体質を変えるからである。そういうイメージが勝手に独り歩きしています。また、漢方薬を処方する先生方の中にもそういうことを言う人がおられます。

正確に言います。

それは半分正しくて、半分間違いです。

そもそも現代医学(西洋医学)と漢方医学(東洋医学)では「体質」というものの解釈が違います。現代医学でいうところの「体質」というものは遺伝によって決まります。ですからこれを変えることはできません。一方、漢方医学でいう「体質」というのは「先天の気」と「後天の気」とが合わさったものであるというふうに考えます。「先天の気」とは西洋医学でいうところの体質にあたり、これは変えることが出来ません。「後天の気」とは生活習慣や食生活などによって形成されたもので、これは自分の努力次第で変えることが出来ます。

たとえ遺伝的にひ弱く生れても、節制と努力で頑強な体質になることもあれば、逆に、丈夫に生れても、自堕落な生活で病弱な体質になることもあるということです。

漢方医学では、この「後天の気」を増加させる、あるいはよりよくすることを「養(よう)気(き)」といいます。もちろん漢方薬も「養気」の手助けをします。

この「後天の気」と「養気」の考え方を説明せずに

「漢方薬は体質を変えます」

とだけ言って、漢方薬を処方する先生のなんと多いことか。また、この考え方を教えてもらえず漢方薬を飲んでいらっしゃる患者さんのなんと多いことか。

その結果、漢方薬に対する誤解や不信感が根付いてしまっているのです。

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